外資系制作会社でアートディレクター、代表取締役を歴任、現在はクリエイティブ系企業の顧問を務める佐藤良仁氏と、世界三代広告賞の一つと言われるカンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル チタニウム部門を日本人で初めて受賞、コミュニケーション設計とコア・アイデア開発を得意とする(株)1192(イイクニ)を設立した鎌倉生光氏の二人による、”実戦的アイデア開発法”をまとめた一冊です。

デザイン関連の専門書といえば、レイアウトや配色、文字組みなどデザインの手法を解説した本が多いのですが、この本はデザインを含むクリエイティブの発想の手法を紹介しています。

日頃デザインを行っていながら、デザインのアイデアの考え方に苦戦していた自分としては「アイデアの出し方には型があって、訓練することでアイデアが出せるようになる」という内容を読んだだけで、非常に安心しました。
独学でデザインを勉強して、デザインの仕事をするようになった人は共感してもらえるはず。
自分の場合、社会人向けのスクールに通いながらPhotoshop、Illustrator、DreamWeaverなどの操作を学んでいたのはいいのですが、「どうやってデザインのアイデアを考えて、デザインに落とし込んでいくか」ということを、長い間現場で肌感覚でやっていたことを思うと、もっと早くこの本に出会っていれば・・・と思いました。

内容は基礎編、企画編、コピー編、ビジュアル編、デザイン編に分けられていて前半の3つを佐藤氏が、後半の2つを鎌倉氏が書かれています。
全編を通して勉強になることがたくさん書いてあるのですが、特にデザイン編の「ビジュアル開発とデザイン開発の違い」のページは参考になりました。
「ビジュアル開発」は、「伝えたい内容を表現にふさわしい要素=ビジュアルに置き換え表現する」こと。
「デザイン開発」は「意味の記憶はもちろん、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感で過去に感じた抽象的な記憶を、視覚的に置き換える」こと。
両方に共通するのは「置き換える」ことですが、ビジュアルは具体的、デザインは抽象的という言い方もできるかもしれません。

自分が無意識にしていることを言葉で明確に説明されることで、うまくいかない時にも「どこが原因でうまくいってないのか」が掴みやすくなります。
考え方を身につけてしまえば、あとは安定してデザインの仕事をしていくことができるのではないでしょうか。


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