僕は仕事柄、チラシなどの広告やWebサイトの制作をしていますが、どのようなものがクライアントの目的を達成するのに効果的なのかを考える材料として、この行動経済学の存在を知ってから学びたいと思っていました。

そして行動経済学の代表的な本をいくつか読んできましたが、言い回しや文章が難しくてイマイチ理解できませんでした。「知りたいんだけど、難しいから無理なのかな・・・」と半ば諦めていたんですが、そんな“超初心者”向けに良い本がありました。
行動経済学まんが「ヘンテコノミクス」です。

「行動経済学」とは?

行動経済学は、それまでの経済学の前提を覆してできたものです。
経済学は「人は合理的に経済活動をする」ということを前提にして考えられていました。
それに対して行動経済学は「そもそも人は経済活動をする時に、合理的に判断していないのではないか」ということを前提として研究されてきました。

行動経済学は人が物を買ったり、お店を選んだりする時に無意識している決断の分析をしています。
僕はこの“無意識”の部分に魅力を感じました。
自分が物を買うとき、必ずしも考え抜いて物を買うわけではないことを実感しているからです。

「ピタゴラスイッチ」などで有名な佐藤雅彦さんが中心に

原作はNHK Eテレ「ピタゴラスイッチ」や「考えるカラス」などで有名な佐藤雅彦さんが中心に、この本以前に佐藤さんと「差分」という本を作った菅俊一さんのお二人。まんがのイラストを高橋秀明さんという方が書かれています。
(高橋秀明さんは有名なアートディレクターらしいです。僕は知りませんでした汗)

佐藤雅彦さんは以前から知っていて、携わっている作品も好きでよく見ていたので、期待値が高くなるのですが、まんがを専門にしていない3人が集まって、まんがを使って本を作るっていうだけで個人的にはスゴく面白そうな予感がありました。

行動経済学のテーマをまんがで、キャラクターの心理を描いて解説

これまで読んだ行動経済学の本が難しいと感じたのは、実験とその結果を著者が解説していくもので、「物を買う」とか「商品を選ぶ」といった実際の消費行動にどのように現れるのかがイメージしづらかったことにあるのではないかと思います。

その点、この本では行動経済学のテーマをまんがで、登場するキャラクターの心理を描いているのでイメージしやすいです。
行動経済学の「人は合理的に経済活動をする訳ではない」という前提が、キャラクターの「あれ?こんなはずではなかったのに」という気持ちに落とし込まれています。

まんがを読んでいて、「あるある!」と「なるほど!」が出てくる感じというか。
行動経済学に興味がなくても面白い本ではないでしょうか。

僕はまんがを読まなくなって結構な時間が経ちましたが、まんがという表現の感情移入のしやすさ、イメージのしやすさを改めて感じました。
文章だけだとある程度の知識が前提として必要とされる場面が多くて、何かをわかりやすく伝える場合には図とストーリーを組み合わせを使うことはスゴく有効だなと。

絵柄も新聞の4コマまんがのような親しみやすさ

最近書店に並んでいるまんがで難しい概念を説明する本って、表紙がアニメ好き向けの絵柄で引いてしまうことが多いんですが、この本はそういったマニアックさを感じさせなくて良いです。

本書のあとがきで佐藤雅彦さんが、「そうだ、サザエさんをやればいいんだ!」と書いているようにアニメ好きではない人が手に取りやすい本になっています。

より深く行動経済学を知るために

行動経済学に興味を持った人は、この本を出発点としてダン・アリエリー著「予想通りに不合理」や、同じ著者の「ずるー嘘と非合理の行動経済学」なんかを読むと理解しやすいかもしれません。
行動経済学が注目されるきっかけとなった、ダニエル・カーネマン著「ファースト&スロー」は僕は難しいと思ったので、数冊読んだ後に挑んだ方がいいのかもしれませんね。

僕の経験上、自分が興味があって深く知りたい分野の本は徐々にハードルを上げていく本選びをした方が、あとあとまで長く学んでいくことができました。

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