普段、クライアントとデザインに関する話をしている時に、クライアントの言う「デザイン」と言う言葉の意味が、「見た目を整える」と言う意味で使われていることが多くあります。

クライアントと話をしながら「見た目だけの話ではないんやけど」と思うのですが、自分の中でもデザインと言う言葉の意味について、モヤモヤした思いが残っていました。

ある時、有名なデザイナーがtwitterで「デザインとスタイリングは違う」と言うことを言われていて、「どう言う意味やろ?」と疑問に思ったので調べてみました。

するとその言葉の意味が理解できたと同時に、先のクライアントとの会話で登場するデザインの意味の違いに関しても理解できました。
何が理解できたのか、以下にまとめます。

デザイン = 課題解決

見出しの通りなんですが、デザインの意味は「課題を解決すること」。
単に見た目を整えることではなく、それを作ることによって、どういった目的を達成するのかを理解し、そのためにあれこれ考え、形にすることです。

では、見た目を整えるのは何と言うかと言うと・・・

スタイリング = 見た目を整える

多くの場面で使われる「デザイン」の意味である、見た目を整えることは「スタイリング」と言うそうです。
配色を変えたり、文字の大きさや行間を調整したり、余白を広くして見たりといったことです。

僕はWeb制作、Webデザインに携わって10年以上経ちますが、割と最近まで知りませんでした。
(大学や専門学校ではこう言う概念的なことは習うんでしょうかね?)

スタイリングはデザインの一部?

上記のように意味を確認していくと、デザインの方が抽象度が高く、大きな意味を含んでいる言葉であることが分かります。
スタイリングはデザインの一部、しかもデザインの工程としては最後の方になります。

チラシをデザインする例でいうとこのようになります。

チラシの例

1.チラシを作る目的をハッキリさせる(お店に来てもらう、商品を買ってもらう等)
2.チラシを誰にみてもらうかをハッキリさせる(肩こりに困っている人、旅行したいけど行き先が決まってない人等)
3.チラシを見た人に、どういう行動を取ってほしいかをハッキリさせる(問い合わせしてもらう、商品を試してもらう等)
4.チラシの使い方を決める(駅前で手配りする、ポスティングする等)
5.チラシの中身を決める(どういった売り文句、伝えるべき内容、伝えたいイメージ等)
6.チラシのサイズ・レイアウトを決める(手配りに適したサイズは?何を目立たせて一番に見てもらいたいか等)
7.チラシをスタイリングする(見た目の調整)

上記の例でいうと、7番でようやくスタイリングが登場しました。
通常のデザイン案件では基本的にどのようなものでも上記の事項は考えます。
そうやって考えていくことで作るものの精度を高めていくのです。

僕もWeb制作を始めたばかりの頃は、デザインを単純に見た目のことであると思っていて、手数を増やすことを意識していました。
でも手数っていうのはあらかじめ用意しておくものというよりは、達成したい目的に対して有効な手段を探った結果、新しい手法に手を出して身についていくものであると、今は考えます。
見た目のバリエーションだけ持っていても、適切な使い方を知らなければ効果を最大限発揮することもできないと僕は考えます。

こういうことはデザインの学習の初期に知っておきたかった

クライアントとの打ち合わせの途中で「今おっしゃったデザインという言葉の意味は、本来の意味とは違ってですね・・・」とか話し始めると、話しの流れがそこで変わっちゃうので、そういう話はしませんが、自分の中の知識として持っておくのは良いでしょう。
できればデザイナーを志す初期の段階で、こういった概念は知っておきたかったですね。

物事の学習には手順があって、最初に抽象的な概念を掴んだ上で具体的な細かい手法を学んでいく方が、後々応用が効いてくると最近よく感じます。
独学でデザイナーになった人と、専門教育を受けてデザイナーになった人の根本的な違いというか。
自分の場合、独学だとどうしても“実践的である”ことを重視して、そういう売り文句の本なんかで勉強してたんですが、概念とか論理的なことは理解するのに時間がかかるのですっ飛ばしてしまいがちでした。
それが原因であとあと、自分の中でデザインについて非常に悩むことになってしまったので・・・。

これからデザインに限らず、何かを新しく学ぼうというときは概念を解説した本をいくつか探して読むのがいいでしょうね。
ただ当然ですが概念を掴めば実務ができるようになる訳ではないので、概念と実務のバランスで学習していくのが一番効率よく、スキルを身に付けることができるのではないでしょうか。

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