広告代理店の営業の方と打ち合わせで同席して、クライアントに対するWeb広告の提案の内容を聞くことがあります。

最近聞いた内容で疑問に思ったことが、リスティング広告の一種である検索連動型広告の対象キーワードにクライアント企業の名前や、サービスの名前を含める提案でした。

なぜ、これに疑問を感じたのか。
一言で言えば「自然検索で獲得可能なコンバージョンにわざわざ広告費をかけているのではないか」ということです。

そもそもなぜ検索連動型広告を実施するのか?

「そもそもなぜ検索連動型広告をするのか?」ですが、その特徴を把握していて、それをすることで利益が生まれる可能性を感じたということです。
検索連動型広告の特徴とはなんでしょうか?

検索連動型広告の特徴

検索連動型広告の特徴は、簡単にいうと以下が挙げられます。

1.見込み客が検索に入力したキーワードに対して、広告を表示できる

見込み客が検索のときに入力したキーワードは、ハッキリしているにしろ、まだボンヤリしているにしろ、見込み客が求めていることが表れます。
検索連動型広告は、その見込み客が求めているもの(キーワード)に対して、広告を出稿することで成果を上げる広告です。

キーワードが具体的であればあるほど、求めているものが顕在化しているので広告としての効果が高いと考えられています。

2.広告予算が他の広告に対して低く抑えられる

キーワードが具体的であることのメリットは、無駄に広告を打つ必要がないというメリットにも結びつきます。

また、キーワードはクリック単価を設定して入札する仕組みで、広告のリンク先として設定するページがキーワードと親和性が高いとクリック単価は低くなります。

3.広告の成果が数値で分かる

広告を打つ側が「これがイケるのでは?」と設定したキーワードが実際に効果が出たのか、ハッキリ分かります。キーワード毎に広告に掛かった費用や、クリック率や、コンバージョン単価などの数値を見ることができます。

数値でハッキリ見えるため、広告の成功・失敗を測るための基準が明確になります。
交通広告のような「出して見たものの、効果があるのかないのか分からない…。けど効果があるかもしれないし、止めるに止められない」という事態を避けることができます。

4.即効性がある

広告を設定して審査を通過するとすぐに検索結果に表示されます。
また広告の修正が発生しても、修正後の反映が早いです。

企業やサービスの具体名での広告出稿はオフィシャルサイトへアクセスと食い合う可能性がある

お家のリフォームを専門とする会社(以下、A社とします)を例としてみます。

見込み客がA社の企業名で検索する際、当然ながらA社の名前を知っていることになります。
おそらく他の広告や、A社の前を通りかかったなど、以前にA社を知る機会があったのでしょう。

そして、見込み客がA社に関して検索するタイミングでは、見込み客の中でA社を詳しく知りたい気持ちになっています。
なぜ詳しく知りたくなったのか?ですが、それ以前に見ていた広告がお家のリフォームに関するものである場合は、お家のリフォームに関する悩みが出てきたことが考えられます。

見込み客の中では、以下のような気持ちの流れがあったと想像できます。

  1. 広告を目にしていた時「リフォームをやっている、A社っていう会社があるのか」
  2. 時間を置いて、自宅が傷んできた「そろそろどこか、リフォームをお願いできるところを探そうかな・・・。そういえば、A社っていう会社があったな。検索してみよう」

(2)の段階で、A社がしている事業「リフォーム」とA社が既に結びついていて、見込み客が検討するときの依頼先の候補になっています。

見込み客がA社の社名で検索するときに検索連動型広告が出稿されている場合、広告を出稿していない状態ではA社のサイトに訪問するはずだった見込み客が、広告をクリックしてサイトを訪れると、余計な広告費を消費してしまいます。

また社名で検索されてお問い合わせなどコンバージョンに至るようなケースでも、広告出稿によるアクセスからのコンバージョンと混ざってしまい、広告の効果測定が正しくできません。

これでは、数値を見て広告の効果をチェックして、広告の精度を高めるという検索連動型広告のメリットが損なわれてしまいます。本末転倒です。

実際にコンバージョン単価(成果に至った金額)は下がるが…

企業やサービスの名前で広告を出す際、「リフォーム」や「屋根 補修」などのサービスに関わるキーワードを設定するよりも、クリックの単価は安くなります。
したがって、広告からのサイトアクセスで問い合わせなど、サイトの成果(コンバージョン)に結びついた場合、コンバージョン単価が低くなります。

でも、このコンバージョン単価は純粋な広告成果の金額として判断するには疑問が残ります。
なぜなら、広告の成果なのか、自然検索でもコンバージョンした可能性があるコンバージョンなのか、はっきりしないからです。

コンバージョン単価などの数値だけを見ると“成果の出ている良い広告キーワード”

そのようにして成果をカウントした広告は、コンバージョンのための単価が非常に安く、数値だけを見れば、“成果の出ている良い広告キーワード”となります。

でも、自然検索からのアクセスで広告なしにコンバージョンが得られるのならば、“そもそも広告を出す必要のない、無駄なコスト”という解釈になります。

「自社名」=お客さんの意欲が既に高いキーワード

先のA社の例でいうと、A社の社名で検索するお客さんは、同業者とA社との比較が終わり、かなり意欲が高い状態であることが考えられます。

ある程度の情報収集が終わり、収集した情報からリフォームの実績や事例などを比較して、「ここの話を聞いてみようかな」と思っている状態です。
発注するまでのステップを考えると、発注まであと少しではないかと思います。

社内で広告の実施の話を通すには良い点があるかもしれない

本来の広告運営の面から言うと、自社の社名をキーワードとした広告の出稿ですが、別の面で言えば良い点があります。“社内で広告の運営の話を通す時に成果が出ている証拠になる。”と言うことです。結果が出ているのなら、広告の出稿予算を増やすことにも貢献するかもしれません。

本来の広告出稿の目的とは違う視点でのメリットですが、広告運営を続けていくための経過報告として、コンバージョンの数ほど説得力を持つものはないからです。
(ただし、上司や報告する先が広告に詳しくない場合でないと通用しないでしょう。)

ホームページの運営では、こういった広告からコンバージョンを獲得する方法と、ホームページ内のコンテンツページを増やして検索エンジンからの評価を上げ、検索からのアクセスを増やしてコンバージョンを獲得する「コンテンツマーケティング」と言う方法があります。

理想的には両方行って、長期間継続していくことで成果を見ていくことが一番良いのですが、広告予算が取れない企業もあります。
そういった場合は、コンテンツマーケティングとして、ホームページ内にお客様の役に立つコンテンツを増やすことが重要です。

コンテンツマーケティングは成果が現れるのが遅く、コンテンツを追加する頻度が問われます。なかなか最初は成果が出ないので、業務を行う上でお客様の声など、自動的にコンテンツが出来上がる仕組みを作っておくことができるとかなりラクになります。(もちろん編集は必要です)

ホームページもただ持つのではなく、どのような目的で、どのように運営していくのかちゃんと考えておきましょう。

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