
「サイトを公開したのに、検索からのアクセスがない」
基本的にWebサイトは公開しただけではガンガンアクセスが上がって、問い合わせがたくさん入る、なんてことはありません。
検索からのアクセスを増やすには、SEOに配慮したページをサイト内に持っておく必要があります。
それも結構な数のページ持っていて初めて、検索エンジンに高い評価を受けて、検索結果の上位に表示されるようになります。
地名度の低い企業のサイトが、検索からのアクセスを増やすには、手間暇かけることが不可欠なのです。
この記事では、サイトのコンテンツを作る方法を説明します。
手間がかかり即効性は望めない手法ですが、この手順を繰り返してコンテンツを作ることに慣れると、ローコストでサイトの評価を上げ、検索からのアクセスを増やすことができるようになります。また、その効果も長くなります。
(即効性を求めるのであれば、Web広告や紙媒体の広告を出しましょう。ただしある程度の広告費は覚悟しておかないといけません。)
Contents
なぜコンテンツページを作る時にSEOを意識する必要があるのか
「SEO=検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の意味は、サイトを検索エンジンに認められやすくサイトを調整することです。
SEOの視点でコンテンツを作る際に大事なのは以下の点です。
- キーワードを含んだコンテンツのタイトルかどうか
- コンテンツの内容があるかどうか
- 良質なコンテンツがサイト内にどの程度の数あるのか
一点目ですが、見込み客が検索したキーワード(以下、SEOキーワードと書きます)は見込み客が解決したいことを言葉にして入力したものです。このキーワードに対して、「うちの商品はその悩みを解決できますよ!」と商品の説明コンテンツを差し出すことを狙うのが、コンテンツタイトルにキーワードを含めることです。
二点目のコンテンツの内容ですが、見込み客が読んで価値のある(役に立つ)コンテンツであることです。
三点目の良質なコンテンツの数ですが、具体的な数は検索エンジンのサイトの評価のやり方がはっきりしないので分かりませんが、30〜でしょうか。
一つや二つでは難しいです。
コンテンツ作成は手間がかかるので、外注するのもアリ
自分でコンテンツを作るのは手間ですが、自分で作る時間がない場合は、コンテンツの原稿をクラウドソーシングなどで発注することもできます。そうすれば、自分は上がってきた原稿のチェックだけで済むので、かなり手間を省くことができます。
SEOに配慮したコンテンツの作成の手順
それではコンテンツの作成手順です。
- まずはSEOキーワードを決める
- コンテンツの構成をまとめる
- リストアップした順番でコンテンツの文章を書いていく
- コンテンツのタイトルを決める
- 手直しして公開する
それぞれの項目について説明していきます。
まずはSEOキーワードを決める
「関連キーワード取得ツール」、「キーワードプランナー」を紹介し、自社の商品・サービスに合ったキーワードを取得して、
コンテンツを作成するキーワードを決める。
1.「関連キーワード取得ツール」から、キーワードのバリエーションを取得する
「関連キーワード取得ツール」というツールを使います。
指定したキーワードの関連検索キーワードを一覧で表示してくれます。
ページを開いたら、テキスト入力にキーワードを入力して「取得開始」をクリックして(もしくはエンターキーを押して)ください。
(キーワードを複数入力する際はスペースを半角にして入力してください。)
結果が表示されたら、「全キーワードリスト(重複除去)」の欄をクリックしてテキストを選択できる状態にして、全選択(mac:command + A、Windows:ctrl + A)してコピー(mac:command + C、Windows:ctrl + C)します。
2.「キーワードプランナー」でバリエーションキーワードの月間平均検索ボリュームを調べる
今度はGoogleが提供しているGoogle広告のツールである「キーワードプランナー」を使います。
まずは「Google広告」にログインします。
Google広告
ログイン後、キーワードプランナーのページに移動します。
キーワードプランナーページに移動後、「検索ボリュームと検索の予測を取得しましょう」の枠をクリック、関連キーワード取得ツールでコピーしたキーワードをペーストします。
キーワードをペーストしたら、「開始する」ボタンをクリックして、結果が表示されるまで待ちます。
そのあと表示された結果の「表示回数」の項目の数値を見て、コンテンツを作るキーワードを決めます。
3.どのキーワードについて記事を書くか決める
表示されたキーワードのデータをダウンロードします。
(1)「過去の指標」をクリック、(2)「キーワードをダウンロード」をクリックしてキーワードのデータをダウンロードします。
ダウンロードされたデータはCSV形式です。
このファイルをエクセルで開いて、「Estimated Impressions(表示回数)」昇順でソート、表示回数が数百くらいまでのキーワードのうち、自社のサービスや商品に関連しそうなキーワードに絞ります。
(表示回数がゼロだったり、キーワードの意味合い的に関係のない不要なキーワードは削除します。)
そして、残ったキーワードのうちコンテンツの内容を書けそうなキーワードについてのコンテンツを作っていきます。
コンテンツの構成をまとめる
以下の順でコンテンツの構成案を作っていきます。
ここでは書く内容の見出しをリストアップしていきます。
まずはここでコンテンツの骨子を作っていきます。文章はまだ書きません。
1.問題定義
そのキーワードで検索したユーザーの悩みを文章にします。
コスト削減できる業務用エアコンを売っている会社であれば、「会社の電力使用量が多く、光熱費が高くなって困っている。」などです。
2.商品・サービスを導入した結果を書く
その商品・サービスを利用することで得られる結果を書きます。
数字で良さがそのまま伝わるものであれば「消費電力を〇〇%アップ!」のようにそのまま数値を書いてもいいと思いますが、その結果を得た後の心情的な結果を書いておくと、さらに利用した後の気持ちをユーザーが想像できて良いです。
先の例に従えば、「コスト削減した分、設備投資することで経営効率をアップ!」みたいな表現でしょうか。
この利用して得られる心情的な利点を「ベネフィット」といいます。
よく似た意味で使われる言葉で「メリット」がありますが、「メリット」と「ベネフィット」の違いを説明した記事を書いてますので、詳しく知りたい方は参照ください。
3.どうしてそのような結果が得られるのか根拠を書く
電気製品であれば、その製品の仕組みや仕様を解説して、どのようにその結果を実現できるのかを説明します。
サービスであれば、結果に結びつくサービスの特長を説明します。
ここでもまだ文章は書かず、見出しを書き出す程度にしておきます。
4.サイトの成果(コンバージョン)への導線を設定する
一般的にはお問い合わせフォームや電話での自社への問い合わせをサイトの成果にするのですが、ここでは問い合わせを成果とします。
具体的には、ページのコンテンツの最後にお問い合わせフォームへリンクされたボタンを置いたり、ボタンの横に営業時間を記載した問い合わせ電話番号を記載するなどがあります。
そのほかにも、無料の見込み客向け資料のダウンロード申し込みや、サービスの申し込みフォームなど、その企業の営業戦略に応じて設置すれば良いかと思います。
リストアップした順番でコンテンツの文章を書いていく
先の手順で作成したコンテンツの構成案にしたがって、コンテンツの文章を作成します。
この時点でおおよその内容は決まっていますので、それぞれの見出しの内容を詳しく追っていく形で進めていきます。
Webサイトの文章は基本的にじっくり読まれることはないので、小見出しを追っていくだけで、ページに書いてあるおおよその意味が分かるようにしておくことが大事です。
また、そのページを見る人は基本的に自社のサービスを全く知らない人である、と想定して書く方が良いでしょう。
そのように考えると、おのずと詳しく書いていくことになりますが、詳しく書いてあればあるほど、コンテンツの内容が濃くなり、SEO的にもページの評価が高くなります。
コンテンツのタイトルを決める
コンテンツのタイトルを決めますが、この工程は非常に大事です。
そのタイトルを見て見込み客がサイトを訪れるかどうか決めるからです。
サイトを訪れるきっかけを作ると言っても過言ではありません。
重要なのは先にピックアップしたSEOキーワードを必ず含めることです。
また、そのタイトルを見て「悩みが解決しそうだな」と感じるようなタイトルを考えます。
手直しして公開する
書きあがった内容を精査して、文章的におかしなところはないか、表現の統一感が保たれているか(「お客様」「顧客」「クライアント」などコンテンツ内で同じ意味で違う言葉が使われていないか)などチェックして修正していきます。
併せて、グラフやイメージ画像などが必要な場合は、それらを作って入れ込みます。
できるだけ分かりやすい文章、ページを心がけます。
そして出来上がったコンテンツを公開します。
コンテンツ公開後もコンテンツの追加を継続する
コンテンツ公開後はしばらくおいて、ユーザーからのリアクションを確認します。
アクセス解析を導入している場合はアクセス状況を確認します。
サイト内のコンテンツがある程度溜まるまでは、なかなか結果は出ません。
ただ、Web広告による成果は広告を出さなくなった途端に無くなりますが、増やしたコンテンツによるサイトの評価は、コンテンツの質がある場合は落ちることはありません。
コンテンツが溜まっていくと徐々に検索からのサイトへのアクセスが増えてきますので、根気強くコンテンツを追加していきましょう。
コンテンツを作るための参考書籍
Webサイトのコンテンツ制作に参考となる本を紹介します。
SEOの手法をうまくコンテンツに落とし込んでいる企業のサイト事例を多く紹介し、検索エンジンに対して有効な”SEOライティング”の手法を解説しています。その他、「売り上げを伸ばす商品ページライティング」や「お客様を引きつけるキャッチコピーライティング」など、実践的に使える手法がたくさん解説されています。
2014年に出版された本ですが、今も使える本であると思います。
企業のサイトでは、既にあるパンフレットや営業資料をキレイに見栄え良くしたコンテンツページが多くあります。。そもそも、それらはお店のスタッフや、営業スタッフが使って売るために作られているので、そのままWebサイトに載せても効果は薄くて当然です。
この本では、パンフレットや営業資料の流用ではない、お客さんに響いて購入に結びつくようなコンテンツの作り方を解説しています。
まずは実践あるのみ!
これらの記事を読んで、本を買うだけではコンテンツを作れるようになりません。
特にコンテンツを作る経験がない場合は、作っては直す・・・を繰り返すことになりますが、これは当然のことです。
まずは文章がうまくなくても、まとまりが悪くなっても、「これ以上は無理!」と思うまで作ったものは、とにかく公開してしまうことが大事です。
世に出さない限りは、作ったものが成果に結びつくのかどうか分からないからです。
コンテンツを作り始めてしばらくは、「これで公開してもいいのかな?」という気持ちになります。でも、コンテンツを作って公開することを繰り返すと、恥ずかしい気持ちはなくなり、「どうしたら良いコンテンツを作れるか?」を考えるようになります。
こうなるとコンテンツを作るスピードが早くなり、コンテンツが溜まっていくので、検索エンジンに対してもサイトの評価が高くなる・・・という良い循環を作りだせます。
最初のキツさを越えるまで、なんとか作り続けることを優先して取り組みましょう。