クライアントとWebサイト制作をかすめる上で、思い通りにいかないことは多々あり、その都度意見交換をして落としどころを決め、制作を進めていきます。

通常そのように制作を進めていれば、納品後にお金が振り込まれないとか、仕事をしていく上で最も困った事態になることは少ないのですが、たまにそういった事態になることもあります。

私が経験した中で、そういった事態になりやすい原因として、真っ先に挙げられることがあります。
その原因は、「こちらが良かれと思ってやっていること」が招いてしまうことなので、余計に心理的にもダメージが大きく、事態の収拾も大変になってしまいます。

つい言ってしまう「それもサービス(無料)で対応します。」が思わぬ事態に

その主な原因とは、見積もりの範囲を超えた小さな作業をサービス(無料)で対応するということです。

通常、制作の案件では、クライアントの要望を伺った後、その要望を満たすにはどの程度作業が発生して、どの程度の金額になるのか、作業内容と金額を照らし合わせて提案します。

この時点で、制作を行う側とクライアントとの間で、何をどの程度作業するのか、共通認識を確かめます。

作業内容と見積もりを見てもらい、クライアントは分からないことや、見積もりに含まれていない作業で、追加でお願いしたい事などを伺います。

このとき、クライアントより寄せられた追加でお願いしたいことに、サービス精神が旺盛な制作者(営業)は「それはサービス(無料)で対応します!」と言って、本来なら有料で対応するべき作業を、無料で引き受けてしまいます。

これが時には大きなトラブルの原因となってしまいます。

無料で対応することは本来、間違っている

そもそも、仕事は趣味でやっているわけではなく、サービスに対してお金をもらう営みです。

その前提を、その時の気分で無料でやってしまうと決めしまうと、その後にどのような影響があるのか考えないといけません。

作業を無料で抜けた制作者(営業)としては、「お客さんに喜んでもらえた!」と良いことをした気分になるというメリットはあるかもしれません。
その時はクライアントも喜んでくれます。

しかし、クライアントの認識からすると「この人(制作会社)は、色々と無料でやってくれるんじゃないか?」という、誤った印象を与えてしまいます。

そうなってしまうと、「これもサービスでできるんじゃない?」「これもやってくれる?」などと、次々に無理での対応求められてしまいます。

これが積み重なって、作業量が本来想定したものからどんどん大きくなり、これに伴って作業時間も長くなり、納期が遅れてしまい、最終的にクライアントの怒りを買う結果になってしまいます。

このように、サービスでやってくれると勘違いして次々に見積もりに含まれていないの作業を依頼してくるクライアントは少ないのですが、そういうクライアントであることは、ある程度付き合ってみないと分からないので、最初から無料での対応をするべきではありません。

このようにして、本来善意でやっていたことが悪い事態を招いてしまうこともあるのです。

私は、まさにこういう対応でクライアントとのトラブルを招きました汗

結局、本来の見積から大きく作業量をオーバーして対応する必要が出てきただけでなく、そもそも想定した作業の時間内で、無料で対応する作業の分も作業時間が増えたせいで、制作したサイトの質も低くなり、当然クライアントの満足度も低く、制作費用の半分しか回収できませんでした…。
フリーランスの私にとってこれは大きな痛手でした。

私はこの経験から、追加作業の無料での対応を起きることをやめました。
今考えると当たり前のことなのですが、対応しているときは良かれと思ってやっていたのです。

制作においてクライアントとのトラブルを避けるためにしておくべきこと

作業範囲を明確にしておく

まずは、何をどの程度作業するのか、明確にリストアップしておくことが重要です。
先方から新たな要望が上がってきた場合はきちんと項目を追加するべきです。

たまに、気心知れている方からの依頼だと「一式」などとまとめて見積もりに記載してしまうことがありますが、これも一切止めた方がいいです。
気心知れている方の上司や同じ案件に関わっている人が見ても、何を対応するのか分かるようにしておきましょう。

見積もりを提出している場合、見積もりを更新して、再度提出する手間がかかりますが、そのくらいの手間をかけても後々のトラブルが防げるので、必ずしておきましょう。

金額を必ず明記する

作業内容をリストアップした後は、それぞれの項目にちゃんと金額を記載しましょう。
ここでも作業項目に対して一式でいくら、という書き方はしない方がいいです。
できるだけ単価を記載して、その単価に対して幾つの数量がかかるかを書きましょう。

作業工程の区切りには必ず担当者の承認をもらう

webサイト制作の場合、まずデザイン案を作成し、OKが出たらコーディングの工程に進みます。
このデザイン案にOKが出た段階で、担当者から承認をもらいます。
(メールでも良いのですが、慎重に進めたい場合は、工程ごとに書類に印鑑をもらうようにしておくと良いかもしれません。)

このとき、デザイン案にOKが出た後のデザインの修正に関しては別途費用はかかると説明をし、了承してもらうことが重要です。

この工程が完了した後の、全行程の修正に関しては別途費用をもらうことは、発注時に文書にして、捺印をもらうなど、クライアントに了承をもらった証拠を残しておくと良いでしょう。
よっぽどおかしなクライアントでなければ、一度了承した内容に反する行動は取らないはずです。

受注案件をするなら法律に関する相談先を見つけておくべき

受注案件の場合、クライアントとのやりとりが多く、制作期間が長いので、物を売っているビジネスよりも「やると言った!」「言ってない!」のような認識のズレによるトラブルが起きやすいと言えます。
トラブルになってしまうと、受注側発注側の双方が疲弊してしまいます。
こういう状態は誰も望んでいないのではないでしょうか。

状態にならないためにも、あらかじめ必要な情報は明文化して共有し、合意をとっていくプロセスを大事にしなければいけません。

そういった意味で、トラブルになった後のことも考えて、トラブルを未然に防ぐための契約書の書き方や、クライアントと認識のズレが生まれにくい制作フローについて、弁護士に相談しておくのも良いです。

弁護士に相談というと、トラブルになってからどうすれば良いのか相談することをイメージするかもしれませんが、そういうトラブルの相談を日頃受けていればこそ、トラブルに発展しやすい状況を知っていると言えます。

あらかじめトラブルになりやすい状況、トラブルになった時の対処を知っておくことで、対応しても大丈夫の範囲が理解でき、その都度考える時間も節約できます。

弁護士と顧問契約を結んでおくのも良いかもしれません。
月額料金で、法律に関する相談ができます。トラブルの時に相談できる相手がいるだけでも、かなり受注業務をおこなっていく上で、心強いのではないでしょうか。

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